マイノリティのすすめ

『不動産テック』本のまとめ

おすすめの読者
・不動産に興味がある方
・これまでにないアプローチで不動産の検討をしたい方
・AIや機械学習を身近なもので勉強したい方

読む前に

不動産テックとは?

不動産テック協会の定義では、「不動産テック(Prop Tech、ReTech:Real Estate Techとも呼ぶ)とは、不動産×テクノロジーの略であり、テクノロジーの力によって、不動産に関わる業界課題や従来の商習慣を変えようとする価値や仕組みのこと」です。

https://www.sbbit.jp/article/cont1/35131#head1

日本ではまだ馴染みのない“不動産テック”に関して解説と日本の研究者や企業などの取り組みについてまとめられています。

ディープラーニングや機械学習モデルも解説がされているので、AI関連の実践編としても読んでいて面白い一冊かと思います。

以下、印象に残った話や不動産テックを調べたときに知った情報のまとめです。

日本の不動産業の歴史

日本の不動産価格はアメリカと比較すると不透明で健全ではないと言われています。
不動産価格の決定は明確な基準を設けにくいため複雑です。

その原因は簡単にいうと以下が上げられます。

  • 不動産の価値は不動産鑑定士という国家資格を持っている人が決めますが、インターネットで公開している金額は売り手が売りたいと思う希望価格であるため(売り手と買い手の心情により左右されやすい)
  • 同じ条件(同じ建物の形で同じ場所に立っている物件は一つもない)のものが一つとしてないため、基準が設けにくい

そのため、日本での不動産情報は口コミによるものが主で、現在もその流れを引き継いでいます。
明確な基準を設けにくいということは相場感が非常に分かりづらいことに繋がります。

例えば、手持ちのスマートフォンを売りに出したいと思ったときに
ヤフオクやメルカリで製品名、使用年数(バッテリーの消耗具合など)、外観の状態を検索すればどのくらいでやりとりされているかはすぐに理解でき、素人相場を知るのは簡単です。

ですが、不動産に関しては、相場観を素人が掴むのは至難の業です。
ましてや金額が金額であるため、複数所有をしている人しか参入できない市場でもあります。

アメリカの不動産業の歴史

アメリカで不動産情報サイトみたいなものが登場したのは日本と同じ1990年代後半と言われています。
この時点においては日本とアメリカでは大きく差はありませんでした。

ですが、アメリカが日本と違うのが、口コミではなくテクノロジーでの価格決定を行うことに注力したためです。

基準が設けにくいですが、似たような間取りや立地環境などデータとして収集をして価格の傾向をネットで公開することで、誰でも不動産の基準価格を知ることができるようになりました。

また、不動産のテクノロジーに参入する企業も多く立ち上がったため、競争が激化しより透明性が高まったとされています。

このような透明性が高い不動産市場が背景にあり、AirbnbやWeWorkといった不動産を利用したビジネスが発展しています。

日本の不動産テック

そこで日本でもアメリカや海外に追いつけということで近年不動産テックに関する企業やサービスが増えています。

以下が、不動産テック協会が出しているカオスマップです。

引用元:不動産テック カオスマップ

しかし、日本での不動産の透明化にはまだ時間がかかると言われています。
それは、これまで不透明だから稼げていた人が多くいたためです。

仲介業者を挟むしかできなかった不動産売買が個人間でできてしまうと多くの不動産を取り扱う会社が不要になってしまいます。

町の小売店がAmazonやメルカリなど個人間で売買できることによって経営が圧迫された状況に近いと思っています。

そのため、優れたサービスで価格決定ができたとしても、今までの価格の釣り上げなどが露骨にでるため、すぐに掲載する企業は多くなさそうだと考えます(これも時間の問題だとは思いますが)。

日本の不動産テック

最後に書籍でどのような基準を設けて価格を決定しようとしているかを簡単に紹介します。詳細に興味があればぜひ本を手にとってみてください。

どの技術にも現在は機械学習を用いるため、書籍の冒頭は機械学習の解説になっています。

不動産市場分析におけるGISの活用
GIS(地理情報システム)とは、土地の空間と時間情報を管理しているシステムです。簡単に言うと、昔と今でどのくらい、土地や施設、道路などの周辺の状況が変わったかを管理しているものです。

これを利用し、過去から今までの地理情報を機械学習により基準を作り、不動産価格を決めるというものです。

GISを用いたエリア指標の開発
これもGISを用いますが、「住宅選び=エリア選び」と多くの国がシフトしているためエリア基準に注目したものです。このエリアとは「歩いて行けるコンビニの数は?」「病院は近くにある?」「子育てのための施設は?」といった暮らしやすさを指します。

不動産間取り図の認識と応用
これは想像しやすいかと思いますが、間取り図を機械学習によってグラフ化し、同じ間取りでの金額比較や決定をしやすくするものです。間取り図を認識するという画像認識の技術とそれをグラフ化するという複雑な技術の組み合わせです。

この他にも「不動産物件情報の流通と活用を支えるデータベース・情報アクセス技術」「官民ビッグデータを用いた空き家分布把握手法の開発」「不動産金融市場における不動産テック(REIT市場データの活用)」に関しても解説があります。

終わりに

まとめ

  • 日本の不動産市場はアメリカと比べて不透明
  • アメリカは透明性が高いためAirbnbやWeWorkといった不動産を用いたサービスが発展した
  • 日本でも遅れながらも不動産テックが盛り上がっている(日本での不動産の透明性が高まるのも近い?)

不動産は難しい、素人には手を出せないといった背景が少しわかった気がします。
不動産に関して興味がある方、機械学習の応用に興味がある方はぜひ手にとってみても良い一冊かと思います。

それではまた。

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