マイノリティのすすめ

『元素変換 現代版〈錬金術〉のフロンティア』本のまとめ

おすすめの読者
・化学で新しい知見を得たい方
・本のタイトルを見て「元素変換?そんなのあるの?」と思えた方
・知的好奇心が旺盛な方

読む前に

著者「吉田 克己(よしだ かつみ)」とは?

1962年京都市生まれ。1985年、京都大学工学部卒業後、株式会社リクルートに入社。
主に、情報通信関連およびインターネット関連の事業部門で、ネットワーク・サービスの営業、システム開発・管理、商品企画、営業マネジャー、ウェブマスターなどを経て、2002年3月に退職、独立。
現在、産能大通信講座「『週刊ダイヤモンド』でビジネストレンドを読む」の講師を務めるかたわら、ダイヤモンド・オンラインでは主に「消費インサイド」「デジライフNAVI」「就活の法則」などの企画・執筆に携わっている。
共著書に『オンライン書店の可能性を探る』(日本エディタースクール)、『三国志で学ぶランチェスターの法則』(ダイヤモンド社)など。企画・構成に『シェールガス革命とは何か』(東洋経済新報社)などがある。

Amazonより引用

協力「岩村 康弘(いわむら やすひろ)」とは?

三菱重工業株式会社 横浜研究所 先進プロジェクトグループ グループ長。1961年福岡市生まれ。東京大学工学部原子力工学科卒業後、同大学院工学系研究科博士課程修了(工学博士)。三菱重工業で元素変換などに関する研究を行う。2004年、凝縮系核科学国際学会からジュリアーノ・プレパラータ・メダルを受賞。 –このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。

Amazonより引用

この本では”元素変換”といういわゆる”錬金術”を研究している岩村氏に協力をして吉田氏が日本と世界における元素変換研究の過去から今をまとめたものとなっています。

それでは面白かったところと感想を交えてお話します。

元素変換とは

自然界は元素で構成されており、化学反応が日常的にそれもあらゆるところで起こっています。例えば、塩酸(HCl)と水酸化ナトリウム(NaOH)が反応をすると、水(H2O)と食塩(NaCl)が残るというものです。

これを化学反応式で表現すると以下のものになります。

HCl + NaOH = NaCl + H2O +56.5kJ

最後の56.5kJは反応が起こった際に出る熱の量を表し、この値が大きいと高温で反応します。
上記のように、多くの化学反応は元素同士の結合組み変わり、新しい分子ができます。

しかし、元素変換とは以下のように元素を反応によって変えるというものです。

Ca + n(中性子) → Ar + He + 1.75MeV

上記ではカルシウム(Ca:陽子20、中性子20)がアルゴン(Ar:陽子18、中性子19)とヘリウム(He:陽子2、中性子2)に変わり、反応前と後の元素を構成している陽子と中性子の総数は変わりません。

もしこれが実現できれば、鉄から金ができる!みたいなことが起こってもおかしくありません(金ではないものから金を作ろうとしたのが錬金術です)。

元素変換研究に関して

元素変換が実用化されるレベルまで行くと、金ができるかは置いておいて有害な物質を無害な元素に変換できることが期待されます。

例えば、原子炉で使用されている汚染水・土はセシウムなどの放射性物質が混在されているため通常の廃棄ができません。

また、現在では有効な廃棄方法がなく、ただただ貯蔵庫に保管をしていき、貯蔵庫の容量オーバーになったときにどうするのかなど問題が多くあります。

もし、この元素変換ができれば有害なセシウムを無害な元素に変換できることで一気に問題解決に向かいます。

展望としてすごく未来のある話ではありますが、本を通して現状論文の再現が取れないことや研究そのものが世界から冷遇されている印象を持ちます(詳細は本で)。

終わりに

化学を知っている人ほど”元素変換”と聞くとそんな馬鹿な話があるかと言いたくなります。
正直その考えはこの本を読んでも特に変わりませんでした。

ですが、元素変換に取り組む研究があり、元素変換ができれば放射性廃棄物などが解決する明るい研究であることが知れたのはよかったと思います。

知見を広げるという意味でも化学を知っている人は読んでみてもいいのかもしれません。

それではまた。

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