マイノリティのすすめ

『天才数学者はこう賭ける―誰も語らなかった株とギャンブルの話』本のまとめ

おすすめの読者
・これから投資やギャンブルを始めたくて数字が好きな方
・投資やギャンブルを理論的に勉強したい方
・新しい手法を考えるきっかけが欲しい方

読む前に

著者「ウィリアム パウンドストーン(William Poundstone)」とは?

MITで物理学を学ぶ。物理学と情報理論を専門とする。ロサンジェルス在住

引用元:Amazon

確率・統計学や金融工学を専門にしている数学者達が株・債権といった投資から競馬・ルーレット・カードといったギャンブルで必勝法を探している一冊です。

この本ではケリー基準というものがよく出てきます。
ここではケリー基準の考え方や有用性、問題点をご紹介します。
紹介するにあたり、本の中で登場した以下の例題を使用します。

例題
ここに一枚のコインがあります。このコインには特殊な細工をしており、55%の確率で表がでます。
このコインを使用して表か裏かを当てれば賭け金が倍に、間違えば賭け金を失うギャンブルをします。
10万円の資金で500回チャレンジを行いますが、当然すべて表が出る(勝率55%)で賭けます。

その時、以下の4つの方法で一番利益がでるのはどの方法か。
1. 固定
2. 全額
3. マーチンゲール
4. ケリー基準

1.固定

固定では毎回賭ける金額は1万円に固定してチャレンジします。
500回のチャレンジを5セット別々に行った結果は次のグラフの通りです。

赤の太線では平均値を出しています。

55%の勝率のため、全て右肩上がりで資産を増やすのがわかります。

2.全額

全額では手元にある資金を毎回全て賭けます。
そのため、最初の1回目は10万円、勝てば20万円、負ければ0円でその時点で終わりです。
1回目が勝てれば2回目勝てば40万円、負ければ0円。

この結果は以下の通りです。

いずれも、500回目のチャレンジでは0円となっています。最高金額が2,560万円で最低金額は賭け金がなくなるため0円です。

最高金額で終われれば一番利益が出た方法です。

3.マーチンゲール

マーチンゲールとは、初回に賭ける金額を決めます。ここでは1万円とします。
勝敗によって次のチャレンジの賭け金額を変えます。
負けた場合は、次の勝負では倍の金額を賭けます。

例えば、1回目が外れて1万円を失った場合は、2回目のチャレンジで2万円を賭けます。2回目でも外れた場合は、3回目のチャレンジで4万円を賭けます。あとは勝ち続けるまでこれを繰り返します。

勝った場合は、賭け金を1万円で賭け続けます。負けから勝ちに変わった場合は、賭け金を1万円に戻します。

その結果はこちらです。

この方はでも右肩上がりで利益を出す手法です。しかし、その一方で最低金額が-2,019万円となり多額の負債を背負う可能性のあるものでもあります。

4.ケリー基準

ケリー基準とは次の公式で賭け金を決める手法です。

ケリー基準公式


f = (p × (b + 1) – 1) ÷ b

f :資金の何倍を賭けるべきかというケリー基準の計算結果
p :勝率
b :オッズ、賭けた金額の何倍利益が得られるか

今回は、表が出る確率が55%で表に賭け続けるため、勝率pは55%。
勝った場合は、賭け金の倍の金額がもらえるため、オッズbは1となる。

これを計算すると、

f = (p × (b + 1) – 1) ÷ b

  = (0.55  × (1 + 1) – 1) ÷ 1

  =0.1

つまり、資金の0.1倍(10%)で賭け続けます。
その結果は以下の通りです。

こちらの方法でも固定とマーチンゲールのように右肩上がりとなります。
その反面、資金の増減が多くボラティリティが大きい傾向にあります。

資金を最も増やす方法は「ケリー基準」

大方予想はついていたかと思いますが、資金を最も増やす方法はケリー基準です。
各方法のセット数の平均を比較したものがこちらです。

ケリー基準が最も資金を増やしていることがわかります。
5セットを6回検証しても、大半ケリー基準が多く資金を増やしていることが次からわかります。

ケリー基準すごい!と思われたかもしれませんが、理論値と実際は異なるものです。

ケリー基準の問題点

このケリー基準ですが、ギャンブル以外で使用しようとすると正確な勝率やオッズが出せないことから基準を見誤ることがあります。

例えば株式や為替で、明日上がるか下がるかはランダムウォークで上がるか下がるかが常に50:50というわけではありません。

またオッズもどこまで伸びるか予測不可能でもあります。
そのため、議論の余地がある方法と言えます。

終わりに

本では、ここでの話のほか、数学者達によって様々な考えが書かれています。
論理的な思考や数学者の視点が見れる興味深い一冊でした。

興味があればぜひ。

それではまた。

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